4/24(金)週公開の映画予告編を紹介していく。
この週からGWに突入する方も少なくないだろう。大ヒット中のコナンに続いて、今週はマリオの新作も公開される。映画館が賑わうことは間違いないだろう。映画館に行けば映画の予告がかかっているし、ロビーにもたくさんのポスターが貼られている。つまり自然と知らない映画に触れることになるのだ。多くの人にとって作品を観るきっかけとなるであろう予告編。今週分はどんなものがあるのか見ていきたい。
4/24(金)公開作品
ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー
シンプルに物量でゴリ押しという、巨大な資本ならではの予告編。リンクを貼った予告ではクッパJr.とロゼッタが登場し大活躍。そして1作目で登場が示唆されていたヨッシーにフォーカスした予告と最終予告編の3バージョンが存在している。これに続き、映画にはフォックスが登場するとも明言されており、とにかくサプライズ要素が多く、これならば予告編作りにも困らないだろうという印象。10秒単位でワクワクが襲ってくる。監督も続投で、おそらく1作目の方向性から逸れないタイプの作品となっているのだろう。巨大IPを余すことなく活用した見事な予告編である。
オールド・オーク
恥ずかしながらケン・ローチ監督のことを存じ上げなかったのだが、名前だけで訴求力を持つ監督の引退作ということで、話題性はたっぷりのよう。日本語ナレーションで余計な説明がつかないというだけでもう加点してしまうのだが、やはり各雑誌等の当たり障りないコメントがデカデカと出るのが気に喰わない。題材的には素直に観たいと思えるものなので、日本公開に際しての無駄な装飾がされていないのは好印象。
LOST LAND ロストランド
余計な日本語ナレーションをつけないでほしいと書いた直後だが、河合優実ならいいか…と思ってしまった。そもそも、日本人監督から「世界で最も迫害されている民族のひとつ」と言われるロヒンギャの物語が出てくるというのが凄い。「感動」や「泣ける」が何より重視されるこの国にも、やはり希望は存在するのである。面白いのが、YouTubeにはこの映画の海外予告編もアップロードされているのだが、こちらには余計なナレーションはついていない。題材的に日本人が好かない内容だろうということは分かるが、日本語版のみ有名俳優に特別にナレーションをしてもらうことになった背景を知りたいところ。特に自分はよほど上手くやらない限りナレーションが嫌いなので…。気になった方は見比べてみてほしい。
ARCO アルコ
「アカデミー賞最有力」という言葉を最初に使った人は本当に見苦しいなと思う。獲得してもいない賞を最有力だなんてよく言えたものである。もちろんノミネート済みである程度の実績があるのだろうが、それでも実際に発表されるまで受賞するかは分からない。大番狂わせが起きることだって大いに有り得る。私が映画予告で一番嫌いな文言がこの「アカデミー賞最有力」なのだが、この『ARCO アルコ』の予告編では冒頭にデカデカと出てきており、非常に不愉快。しかも中盤で受賞した賞がズラリと並ぶ場面でも「ゴールデングローブ賞最有力」がかなりの大きさで書かれている。賞の権威を重要視し過ぎである。聞いたことのある賞の名前を画面に出せば観に行くだろうと思われていることが本当に辛い。理解できない。出てくるコメントも陳腐で「ジブリ作品の興奮を思い出す」なんて、もう冒涜に近いのではないか。公式が「この映画は既存作品の〇〇に似てますよ」と例を挙げるのはあまりに酷すぎる。一方で、特別予告なる別の予告では著名人達のコメントが順に流れてくる仕様になっており、こちらのコメントは100文字もないのにきちんと心を打つ言葉になっていてさすがの一言。コメントを出すような人は全員見習ってほしい。というか誰かのコメントを予告に差し込む時はこれくらいのものを持ってきてほしい。
最終楽章 響け!ユーフォニアム 前編
このシリーズをまったく観ていないため特に言えることがない。勝手ながら、未だに10代の女性達がたくさん出てくるタイプのアニメが苦手なのである。この映画は色で売るような作品ではないと思うが。ただ、予告を観ると泣いたり走ったりしているシーンが中盤怒涛のように出てきており、実写の感動系邦画と似たものを感じた。ファンの方は一緒にするなよと思うかもしれないが、やはり劇場に人を呼ぶという意味で「泣き」「走り」は強いのかもしれない。
月の犬
16秒辺りで出てくる駅が『きさらぎ駅』と同じ場所な気がする。もしかすると有名なロケ地なのだろうか。きちんと確認していないので勘違いかもしれないが。予告だけではどんな話かあまり分からなかったのだが、とにかく雰囲気が抜群に良い。予告の冒頭でも言っているが、確かに「ジャパニーズ・ノワール」と言えるような大人っぽさが漂っている。ベテラン俳優陣が次々と出てくるため、物語への没入度が低くとも自然と見入ってしまう予告編。
ツイッギー
これまたツイッギーのことを全然知らず、映画予告編をたくさん観ていると自分の世間知らずっぷりに嫌気が差す。世代的なものもあるかもしれないが、一大ムーブメントとなった人物くらい知っておいてもいいものなのに、これまでの人生でまったく知る機会がなかった。しかしそういう出会いを提供してくれるのがドキュメンタリー映画の素晴らしい所。底抜けに明るい楽曲が流れる中、エメラルドグリーンの背景とオレンジ色の花びらという特徴的な背景で文字が躍るポップな色遣いが素晴らしい。木村カエラもナレーションの人選としてピッタリ。いやツイッギーを知らないのでピッタリかどうかは分からないのだが、確かに木村カエラに感じる独創性がこのツイッギーにもあり、彼女のクリエイティブな発想の元ネタであると言われれば確かにと納得できる説得力。
悲しくて美しい世界 THIS IS SPARKLEHORSE
音楽系のドキュメンタリー映画が毎週のように公開されているような気がする。音楽に疎いので大概のアーティストは知らないのだが、こういった映画もまた音楽と出会うきっかけになることがあるという意味で、アーティストのファンだけのためのものではないのだ。音楽ドキュメンタリーなので予告編で音楽がかかるのは当然なのだが、関係者のインタビューや声よりも、テロップが多くを語るというのはなかなか見ないパターンなのではないだろうか(いや結構あるあるなのか…?)。
沢田美由紀のガマランドにお邪魔します
数十年前のホームビデオ風映像という強みを生かした予告編。やはりホラー映画の予告は単純に強い。映像が独特で人の興味を惹くことが比較的容易なのである。少し前にも敢えて画質を落としたような写真や映像を簡単に作れるAIが流行っていたし、クオリティ云々以上にこういった古めかしい映像は若者の心をグッと掴むのであろう。30秒ほどのファイナルティザーはガマランドの主題歌をバックに、更に悍ましい瞬間が矢継ぎ早に流れてくる見事な出来。これはチェックしておきたい。
白い車に乗った女
www.youtube.comシンプルなサスペンス映画の予告。シンプル過ぎて語ることが何もない。奇を衒ったり変なナレーションを付けられるよりはよっぽどマシだが、ここまで味がしないと何ともコメントが難しい。でも韓国映画の出来は邦画に比べて圧倒的なのできっと面白いのだろう。
ビリー・アイドル パンク・ロッカーの反逆と代償
www.youtube.comまたまた音楽ドキュメンタリー。しかしこちらは本人や関係者の言葉で埋め尽くされた予告編。やはりテロップがメインの『悲しくて美しい世界 THIS IS SPARKLEHORSE』が特殊だったのかもしれない。またまた申し訳ないことにビリー・アイドルを全然知らず…。本当に真面目に音楽を勉強したほうがいいような気がしてきた。音楽映画の感想を書く度に知りません知りませんじゃ格好もつかないので…。
Piccola felicità(ピッコラ・フェリチタ) 小さな幸せ
シンプルに面白そうで、本編への期待が高まる予告編。水谷豊の監督4作目らしいが、水谷豊って監督もやってるんだ…と、無知な自分は素直に驚いている。どうしても相棒のイメージが強いが、この予告編だけで彼の多彩さや映画にかける情熱がひしひしと伝わってくる出来。群像劇のようだが、衝撃的な映像がスリリングな音楽に乗って次々と続き、焦燥感を掻き立ててくれる。素材の良さはもちろんなのだが、編集も上手い。仮に「水谷豊が」なんて上の句がなくとも素直に観たいと思わせてくれる面白味たっぷりの予告編だった。ただ、タイトルがイタリア語と日本語で同じことを2度言う構成になっているのが微妙。何ならテキストにするとイタリア語部分をカタカナで訳してその後に「小さな幸せ」と日本語訳が来るのでさすがにくどい。小さな幸せが3つあったらそれはもうまあまあ大きいだろう。
ヤマトタケル 白鳥伝説
実写パートからの人形劇。人を選びそうではあるが、これもストレートに強い。しかも人形劇パートからは松本梨香やケンドーコバヤシなど、お馴染みの声がズラリと並ぶのでキャストにいちいち驚かされる。自分はYouTubeで観てしまったわけだが、映画館で何気なくこの予告を観たら一気に引き込まれるのではないだろうか。子ども3人の実写パートから一気に人形劇へとシフトする瞬間を何も知らず観られた人が本当にうらやましい。クラウドファンディングで成立したという経緯もあるようなので、個人的にかなり頑張ってほしい1作。特撮好きとしては人形劇という伝統芸能にも廃れてほしくはない。
完全版 ザ・レンチキュラーズ a/b
「SSSS.GRIDMAN」シリーズで知られるTRIGGERの雨宮哲監督が手掛けたショートアニメの完全版。簡単に調べた限りだとショートアニメがaという扱いで、この映画はそこに別サイドのbを加えたものらしい。そもそものショートアニメを未見なので映画の内容に関しては特に言えることがなく、1分に満たないこの予告編でもほとんどストーリーが掴めなかったのが残念。aを知っている人には驚く要素があるのだろうか。紙芝居的なアニメーションのため一般層への訴求力は低そう。こういう映画こそ作り手の名前や過去作をガンガン出して宣伝してほしい。謎めきすぎている。
4/25(土)公開作品
トゥ・ランド
www.youtube.com
ハル・ハートリー監督11年ぶりの新作。先日アフターシックスジャンクション2でも特集が組まれていたりと、話題作であることは間違いない。予告編は素朴な作りだが、タイトルの出し方がおしゃれで最高。本編と同じなのかもしれないが、そうだとしてもゆっくりとロゴが完成していく様は素直にワクワクさせてくれる。予告から察するに映像自体に目を引くような場面は乏しそうなのだが、それを利用して素朴な語り口で観客を魅了してくれる素敵な1作。変に盛り上げようとせず、静かな作品はセリフを繋いでいくような静かな予告編で充分だと改めて感じた。
4/29(水)公開作品
SAKAMOTO DAYS
THE・邦画というようなカラフルで賑やかでキャスト重視の予告編。何だかこのノリ自体久々な気がする。コナン映画を避けてか、こういうギトギトした邦画らしい予告の作品の公開がしばらくなかったような。キャラクタービジュアルの再現度は非常に高く、一昔前に言われていた「コスプレ感」は払拭できているように感じられるのだが映画はどうだろうか。ただ、太ってるバージョンの坂本は明らかにCG丸出しで浮いてしまっている印象。キャストの量でゴリ押してくるタイプの予告編なので言うことはないが、福田雄一監督がアクション漫画をどう料理してくるかは非常に興味がある。よく絶賛される『銀魂』2作はアクションの酷さに目も当てられなかったので、そこからは改善していてほしい(でもアクション監督も同じ人なんだよな…)。そもそも坂本浩一監督や阪元裕吾監督というこの映画にピッタリなサカモトの名を冠するアクション特化の映画監督が日本にはいるのに、なぜ福田雄一監督なのだろう…と思ってしまう。阪元裕吾監督なんて以前特別映像まで作っていたのに…。漫画原作の大作らしく、各キャラクターにフォーカスした予告もたくさん作られているので気になる方は是非。
アギト 超能力戦争
今週イチオシ、いや、もはや今年イチオシレベルで期待しているアギト新作。仮面ライダーアギトが世代ど真ん中の人間で、世の中のありとあらゆるエンタメの中でも上位だと思っているので、自然と期待値もカンストしている。ゆうちゃみを仮面ライダーにし、かつてG3だった氷川誠をG7に変身(装着)させる令和アップデート力に感涙。個性的な超能力者にフォーカスしたショート動画も作られており、『SPEC』を更に推し進めたような超能力バトルが展開される可能性も大いにある。既にアイアンマンチックなG7の装着シーンまで出してしまっているが、既に鑑賞した人達によるとまだまだサプライズが待っているらしいので非常に楽しみ。そして、果たして賀集利樹はアギトに変身するのか。ただ、超能力の合成がややチープにも見えていて、仮面ライダーの名を取っ払った大人向け映画として出すには力不足なのではという思いも否めない。予告編としては原作を知っていればキーワード一つ一つに感動してしまうほどの出来なので、映像の迫力が伴っていないのが惜しい。とはいえ、冷静に予告編を評価できないレベルで楽しみなので4/29が本当に待ち遠しい。
パワー・トゥ・ザ・ピープル ジョン&ヨーコ・ライヴ・イン・NYC
www.youtube.comジョン・レノンとオノ・ヨーコの貴重なライブ映像を映画化。ということでもう言葉は要らない。ただ音楽に呑まれろ、貴重な瞬間を目に焼き付けろ、といったパワフルな作りが最高。余計な言葉で飾らず、音楽の力を心に刻むための予告編。好きなアーティストでこんなのやられたら最高だろうなあ。
というわけで4/24(金)週公開の映画の予告編でした。
GW前のため祝日の4/29(水)公開という変則的な映画もあり、しかもそれがアギトなのだからGWが楽しみでならない。もしハマってしまったら何周もしてしまいそう。コナンやマリオに負けず、アギトも大ヒットしてほしいところ。ただ今週はあっと驚くような予告編がなく、ちょっとパンチに欠けるものばかりだったのが惜しい。やはり強力なホラー映画などのほうがインパクトとしては強いため、ドラマ映画が多い週は自然と感想も無難なものになってしまう。もちろんその静けさが良いパターンもあるのだけれど。逆にめちゃくちゃな味付けをされてる予告も『ARCO』くらいで、それはそれで良いことである。日本版予告で余計な雑味が加えられてる映画こそ逆に観に行きたくなってしまうのが辛い。