【映画予告編感想】2026/4/17週公開

4/17(金)週公開の映画予告編を紹介していく。

 

先週名探偵コナンの新作が公開されたこともあり、今週も大規模な話題作はなさそうだが、規模の大きさと面白さはイコールではない。コナンに入ってきたお客さんが次に映画館に足を運ぶきっかけとなる意味で、むしろコナン翌週の公開映画は最重要と言えるだろう。GWも近くなっているため、今週公開分辺りからスマッシュヒットの傑作が出てくる可能性も否定できない。

 

 

4/17(金)公開作品

 

人はなぜラブレターを書くのか

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2000年3月に発生した地下鉄脱線事故にまつわる奇跡のような実話をもとに描いたドラマ。映画館で予告を観た時は、面白そうな感動系映画が公開されるのかとワクワクしたが、まさかの実話と知って驚愕。こんなにも映画化向きの実話があるのか。やはり時を渡る手紙は感動を生む要素として強すぎる。

予告編は素直に感心してしまう作り。何ならもうこの予告編だけで泣けてしまう。序盤、テロップで状況を説明しつつも、電車に乗る2人の台詞はなく物静かな雰囲気。ここのカット割も非常に上手く、画面がパッパと切り替わるのにきちんと感動の余韻が残っているのだ。事故の描写の後からはかなりストレートな感動予告編になるのだが、他の予告編と違うのは、映画全体がポジティブな方向へと向かっていることが示されている点。この映画によって喚起されるのは悲しみの感動ではなく、人が前に進むことによって起きる感動なのだということを端的に表す素晴らしい予告編である。もちろん映画自体の構成や深みもあるのだろうが、説明しすぎずテクニカルに嫌味なく映画の内容を伝えてくれる良さが詰まっていた。

 

 

これって生きてる?

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申し訳ないが、率直にフレーズが陳腐。「最高のドラマ、誕生」「2人が出す、答えは」「この映画は、今を生きる大人達に捧げる応援歌」予告編ナレーションではこれらの言葉が飛び出すのだが、もう少し創意工夫が欲しいというか、どの映画にも当てはまるような言葉で非常に勿体ないなあと。ナレーションおふざけがないのは好印象なものの、それにしたって予告編から得られる情報量があまりに少ない。ドラマジャンルなので単にインパクトある映像や展開が少ないという可能性もあるが、それならそれで予告編でもっと盛り上げるべきなのではと。パンチに欠けるし、何より内容がほとんど印象に残らない。かなり残念な出来。

 

ソング・サング・ブルー

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この予告は記事を書くにあたって初めて観たのだが、手つきがかなり邦画的だなと感じた。動き出した主人公の物語が理不尽な出来事によって停滞するというシステム自体が難病系邦画の予告に近く、日本人にもウケそうだなあと。そういった邦画との違いは、主人公がサラリーマンや学生ではなく、ミュージシャンであるということだろうか。また、何よりこれが実話であるというパワーも非常に強い。「夢を捨てきれない者」の物語は普遍的に人々の心を動かす力を持っているし、それが実際にあった出来事となれば感動は増すばかり。そんな映画自体の力強さを主演2人の歌声が更に決定づけていく。ヒュー・ジャックマンの音楽映画というだけで一部のファンからは歓声が上がりそうなものなのに、それ以上のものが山ほど出てくるとんでもない予告編で非常に良かった。これは必ず観たい。

 

 

FEVER ビーバー!

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これはもう元々の映像の持つ力が強すぎる。まだ『私がビーバーになる時』の熱も冷めやらぬというのに、白黒映画で大量のビーバーの着ぐるみが出てくる狂気に満ちた映画が公開されるとあれば、観に行かないわけにはいかないだろう。正直予告だけではどんな映画なのかまったく分からないのだが、その靄がかかったような作りもきっと映画自体がそうなのだろうと思わせる。特に良かったのは子ども達がナレーションをやっている点で、いい声の声優さんがコメディチックに説明するより、棒読み感満載の子どもナレーションのほうが何十倍も旨味があるなと。「大人気~」の脱力感なんて本当に最高。この映画にこのナレーションを当てはめたというだけで何か賞をあげたい。摩訶不思議洋画に更に摩訶不思議感を加える見事な予告編だった。「ビーバー捕獲マナー講座」なるこれまた意味不明な別予告編まで存在しているのもポイントが高い。

 

 

長篠

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画面が非常に安っぽく不安になる長篠合戦450年記念映画。ただ、多種多様な甲冑が出てくるようで、低予算感丸出しとはいえ美術や衣装にはかなりの本気度が感じられる。ただこれ、予告編として決定的に良くないのが、一部の台詞が聞き取りづらい。本当に何を言っているのか分からないシーンがいくつかある。演者の滑舌なのか、そういう演技なのか、偶然なのかは分からないが、90秒という短い時間でお客さんの心をグッと掴まなきゃいけない予告編において、何を言っているのか聞き取れないシーンを使うのは一体どういう意図なのか。予告を作っている側は台本も持っているだろうしセリフも把握しているのだろうが、知らないこちらには非常にストレス。予告編を観た第一印象が「何言ってるか分からないところがあったな」になってしまってよろしくない。ちょっとしっかり反省していただきたいところである。

 

 

クベーラ

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恋愛あり、ダンスあり、アクションありのザ・インド映画といった感じ。ダンスシーンは楽しそうだが、それ以外の映像は悲壮感たっぷりで、このメリハリも実にインド映画らしい。ただ左上に公開日とロゴがずっと出ているのが、どうにもテレビ番組感に繋がっていて残念。でも確かに、予告の最後、映画タイトルが出た後に一度暗転してデカデカと公開日だけ出してくる予告編にも疑問を持っていたので、ある意味新しいのかもしれない。

 

 

DOPPEL

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抑揚のないナレーションで状況を一気に語る前半、主題歌の音が大きすぎる後半。総じてかなり厳しい作りの予告編になってしまっていた。こういうミニシアター系サスペンスは嫌いじゃないし、『仮面ライダーガヴ』の演者が出ているとなれば絶対に観に行きたいところなのだが、内容がまったく入ってこず不安になる。何より、後半は主題歌の音が大きいせいでセリフが聞き取りづらい。こんな音響の致命的なミスを予告編でやってしまうのか…。もしかするとYouTubeで観るとそう聞こえるだけで、映画館なら問題ないのかもしれないが。とはいえ単館上映レベルの映画なら上映館ではなくYouTubeで予告編を観るという人は多いだろうし、そこは気にしてほしかったところ。

 

 

お別れの歌

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濱正悟が煙草を吸う姿が何度も映し出される予告編。突き抜けた良さはないが、悪目立ちもしておらず、この素朴さが逆に心地良かった。奇を衒わず、映画の素朴さに真摯に向き合う予告編はやはりいい。予告編の醍醐味は何より映画の良さを1分~2分で伝えることである。とにかく多くの人を呼び込もうという意図で編集し、物語を捻じ曲げたりエモーショナルな雰囲気を何とか出そうと音楽の力に頼ったりする予告編も多い中で、この素朴さは逆に持ち味なのではないだろうか。こうしてたくさんの予告編を観ていると、自然と自分が予告編に求めるもの、何がきたら「観たい」と思うか、どんな予告編を優れていると思うかという辺りも洗練されてくる。

 

 

立てば転ぶ

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こちらも、セリフや会話劇が印象的な映画なのだろうなということが一発で伝わる見事な予告編。余計な飾りつけをせず、ストレートに会話の面白さだけで勝負している潔さを評価したい。そうしたコメディの合間に、男性が1人夜道を歩く姿を後ろから映す映像など、何か哀愁を感じさせるシーンが挟まることで、更にドラマ感が強調されていく。静かだが「観たい」と思わせてくれる見事な予告編だった。

 

 

今日からぼくが村の映画館

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不覚にも落涙。映画の題材があまりに素晴らしすぎる。その上で主演の少年の演技が見事で、画角も完璧。冒頭、映画館のチラシを手にするシーンだけで、映画としての「格の違い」を見せつけてくれた。落ちてきたチラシを手にするカットを下から撮り、そのチラシに夢中になるシーンは建物越しのバックショット。この構図だけで「何か」を感じさせるし、やはり映画を多く観る人間にとって、映画の素晴らしさを訴えかける物語は非常に強い。邦題の「ぼくが」の部分ですらもう泣けてきてしまう。自分の好きなものが周りに理解されない苦しさや、その良さを広めることの楽しさ。映画好きならきっと感じたことのある感情が予告編にたくさん詰まっていた。

 

 

残されたヘッドライン

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ナレーションなし、音楽とテロップと映像だけのスタイリッシュな予告編に痺れる。そもそも明治から昭和30年代のニュース映画をまとめたという一風変わった作品なのだが、見出しだけで充分興味を惹けるニュースが次々と眼前に現れてくる予告編がとにかく最高。歴史に全然疎いのでこの映画を観て少しでも勉強になればいいなと思う。

 

 

4/18(土)公開作品

宮古島物語ふたたヴィラ かんかかりゃの願い

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聞いたこともなかったのだが、シリーズ3作目らしい。ふたたヴィラというホテルを舞台にしたシリーズのようで、予告編は感動のゴリ押しというか、物語よりも主題歌のバラードで泣かせにきていた印象。各映画サイトの評価は軒並み良いのだが、そもそも投稿数が少なくてなかなか判断に困る。感動映画の括りではあるが、若手俳優を起用した大作とは違い、ダッシュするシーンも雨に打たれるシーンも存在していない。いやむしろ大作邦画が毎度のようにそれをやっていることのほうが問題なのだが。ちょっと観たいとまでは思えなかったので保留。

 

 

今週は大作が少ないため、どうしても予告編も盛り上がりに欠けた印象。『FEVER ビーバー!』が白眉で、それ以外は突き抜けた良さはなかった。やはり予告編の時点でも他と違うその映画ならではの個性や強みを発揮してくれるもののほうが感想の書き甲斐がある。とはいえ「観たい」と思わせてくれるものもいくつかあったため、今週も忙しくなりそうな予感である。