12/5週公開の映画予告編紹介をしていく。
普段から時間の潰し方を探している私は、約10年前に映画館に行くと結構な暇つぶしになることを発見し、それ以来週に数作は必ず映画館で観る生活をしている。とはいえ毎週約20作ほどの映画が新しく公開されており、その全てを網羅することはとてもじゃないが不可能。必然的にどれを観てどれを捨てるかの取捨選択を迫られるわけだが、そんな時に最大の決め手となるのはやはり予告編である。
映画館で予告を観てこんなのやるんだ面白そうだなと数か月前から事前に情報を入れられることもあるが、基本的に映画館で上映前にかかっている予告はその映画館で上映される作品に限定されているため、受動的なだけではどうしても予告編を拝む機会に恵まれない作品もある。だが、自分の行動範囲が理由で面白そうな映画を取りこぼしてしまうのは勿体ないと思い、時間のある時にはその週の公開映画をある程度観て判断するようにしている。そんな自分のどうでもいい習慣だが、せっかくならブログで共有するかと思い早速今週から始めていくことにした。いつまで続くかは分からない。何せ毎週20本ほどの予告を鑑賞してそれに対してああだこうだ書いてブログの記事にするという作業は結構面倒なのである。
なので堅苦しいことは言わないし、濃厚な考察をすることもない。ただ、予告に対して好きだの嫌いだの良いだの悪いだのを言っていくだけの駄文になる予定である。だが映画の予告編というのはメジャーなものならともかく、ミニシアター系だとあまりSNSで触れられないことも多いので、映画予告って面白いよねという価値観を人と共有できれば嬉しい。
今週(12/5週)取り上げるのは14作。
それぞれ動画リンクを貼っておくので気になったものがあればチェックしてほしい。
- 天文館探偵物語
- ズートピア2
- ペンギン・レッスン
- ピアス 剣心
- 夢と創造の果てに ジョン・レノン最後の詩
- みらいのうた
- 殺し屋のプロット
- 手に魂を込め、歩いてみれば
- 12月の君へ
- WIND BREAKER/ウインドブレーカー
- ペリリュー -楽園のゲルニカ-
- 北の食景
- レンタル家族
- ブラックホールに願いを!
天文館探偵物語
非常にオシャレでシンプルな予告編。かなり好き。天文館を舞台にした映画ということで鹿児島では既に先行上映されているよう。主人公はtimeleszのメンバーなのだけれど、アイドル映画という感じがあまりしないのも好印象。多分何も知らなければ普通に若手俳優の新作として観られるのではないだろうか。ただ、舞台をどこかに絞った土着もの(と勝手に私が呼んでいる)としての側面を強く押し出すタイプの予告なので、これだけではストーリーにはあまり惹かれないかも。
ズートピア2
言わずと知れたズートピアの続編。前作公開から9年以上経っているものの、未だに根強い人気を誇っているので大ヒットは間違いないだろうなと思っている。12月1番ヒットする映画になると確信している方も少なくないはず。予告にも1作目のキャラクターがたくさん出てきていて既にテンションが上がる。それでいて1作目を未見の人にも設定や世界観やキャラクターが分かりやすい作りになっているのはさすがディズニー。ズートピアのキャラクター達が映画マナーを教えてくれる、スペシャル映画マナー講座なるものが公開日前日までの期間限定で上映されており、こちらは現時点で自宅で観ることができない。映画館に頻繁に通っている自分としては「あ~、またやってんな」くらいの感覚なのだが、もしズートピアが好きでまだマナー講座を観ていない人がいたら急ぎ映画館に向かってほしい。象からスマホを取り上げて呑み込む蛇を。
ペンギン・レッスン
開始から間もなくデカデカと表示される「2024年 トロント国際映画祭 ガラ部門上映」。その後には「ベストセラーを映画化」と続き、「まさかの実話!?」と優しいナレーション。こういう、映画の中身に先立って他者からの評価がどんどん情報として出てくるタイプの映画予告が結構苦手。軽やかな音楽等からターゲット層は簡単に連想できるけれど。あと自分は実話だから良いとも思っていないので、実話プッシュにも魅力を感じない。ペンギンがトコトコ教室を歩いているシーンは微笑ましいのに、色々ノイズだなあと感じてしまった。とはいえ、こういった海外での評価や批評家のビッグマウスをドンと画面に出す手法は確立されてしまってるので、ある程度客を呼び込む力があるんだろうなあ。
ピアス 剣心
ナレーションなし、セリフの字幕以外の情報も最低限に絞られていて、ついつい魅入ってしまう。上映が始まる直前までスマホを触っているタイプの観客には全くと言っていいほど刺さらないかもしれないが、画面を観ている人はかなり惹きつけられるはず。後半で出る「剣のように鋭いサスペンス」にはさすがに「うるせえ!」とつっこんでしまったが、怒涛のように出てくるセリフ(字幕)がどれも不穏かつキャッチ―で面白そう。
夢と創造の果てに ジョン・レノン最後の詩
ビートルズを全然知らないのだけれど、予告の最後に公開日と共に現れる「世界がまだ追いつけなかった 言葉がある」の一言は強烈に刺さった。意味は分からないけれど、こういう深みを感じさせるキャッチコピーは好き。ただジョン・レノンを本当に知らなすぎるので、前提知識のないままに観るドキュメンタリーではないかなあと躊躇してしまうところがある。というか、実在の人物のドキュメンタリーって大体「知られざる一面!」みたいなことをプッシュしてくるし、実際そういった側面に光を当てるのがドキュメンタリーの良さでもあるので、まったく知らない物事のドキュメンタリー映画は結構敷居が高いみたいなところがある。ありませんか? 何と言うか、算数を飛ばして数学をやるのは違うじゃん、みたいな…。
みらいのうた
またまたロックバンドのドキュメンタリー映画。THE YELLOW MONKEYも本当に名前くらいしか知らなくて申し訳ないのだが、ドキュメンタリー撮り始めたらガンだったという展開がすごくリアルで心が揺さぶられる。こういったアクシデントも込みでドキュメンタリーだよなあと。ただやはりイエモンを全く知らないで闘病しながらロックに魂を燃やす姿を観に行くのは失礼ではないかなあとも感じてしまう。いつかイエモンの音楽が自分の中で大切なものになった時に観たい。
殺し屋のプロット
ナレーションで「消えるのは、記憶か、罪か」、公開日と共に「記憶が消える前に、罪を消せ。」のテロップ。いやあこれがめっちゃ言いたかったんだろうな日本の宣伝担当はというのを素直に感じられる潔いキャッチコピーの二連撃で笑ってしまった。サスペンスアクションの予告編らしい、スピーディーなカット割り。シンプルながら面白そうだなと思わせてくれるいい予告だった。
手に魂を込め、歩いてみれば
非常に詩的なタイトルだが、こちらはガザで写真を撮り続け、空爆によって命を落とした女性と監督のビデオ通話の様子を記録したドキュメンタリー。決して茶化してはいけない題材だからこそ、予告の間に差し込まれるガーディアン紙のコメントなどが邪魔だなあと思ってしまった。彼女の殺害を非難する署名を出した人物の名前を羅列する冒頭も、有名俳優を客寄せパンダにしているみたいであんまり好みではない。でもそういう反則技を使わないと集客できないということなら、多くの人に映画に映るような惨状を知ってもらうという意味ではありなのだろうか。う~ん、でもちょっと下品に感じてしまう。この予告を初めて観て「リチャード・ギアも署名してるなら観なきゃ」とはならないので。
12月の君へ
セリフと関係ない、映画を説明するテロップやナレーションがたくさん出てくるnot for meな予告編だった。純文学的な作風の映画の予告編をシーンの切り取りだけで成立させるのは難しいかもしれないが、主人公2人の肩書きと名前がテロップに出てるのにわざわざ読み上げる辺りとかも苦手。エモーショナルを映画の外で勝手に作るタイプの予告すごく嫌いなんですよね。
WIND BREAKER/ウインドブレーカー
「ずっとひとりで生きてきた」「でもいまは、仲間がいて 守るべきものに出会った」
この二言で映画の内容全部言っちゃってないかどうか心配になる。というかこの映画を観るために2ヶ月前からちまちまマガポケで原作を読んでいる自分からすると、もうこの二言で内容全部言っちゃっている気がする。原作のイメージを損なわない緑の教室や建物は美術としては見事なのだけれど、映像としては鮮やか過ぎて逆にチープに見えてしまった。人気若手俳優がたくさん出ますよ~というアプローチでもないし、どういう予告なのか意図がよく分からない。目を引くようなアクションシーンがあれば決定打になったのだが。もう少し的を絞った予告にしてほしかったところ。いや、絞りすぎて逆に全部言っちゃってるのかなこれ…。
主題歌の「守るもの~に~」の直後でナレーションが「守るべきものに出会った」って言いだす追い打ちは面白かった。
ペリリュー -楽園のゲルニカ-
THE・邦画というような、邦画予告編の典型的なパターン。途中からバラードが流れて感動路線になる辺りで「これこれぇ~!」と思わずガッツポーズをしてしまう。アニメ映画かつ戦争が題材なので予告の時点で無数の命が無惨にも散っていくのが特殊だけれど、泣かせることを目的にしたような作りが正に日本的。それ以上言うことはないです。
北の食景
かなり好きかもしれない。やはりミニシアター系の映画の予告にはテレビやインターネットの宣伝とはかけ離れた良さがある。偶然映画館でこの予告を目にしていたらかなりの衝撃を受けていただろう。北海道を舞台に4人の料理人の姿を追ったドキュメンタリー映画らしいのだが、予告ではそれすらも完全に察することが難しい。私はあらすじを先に読んでしまったが、予告が先だったら必然的に自分から映画の内容を調べることになり、更に興味をそそられていたかもしれない。印象的な言葉さえないままに、順繰りに映し出される4人の料理人の姿、その合間に食材となる家畜や北海道の雄大な景色。背中で語るぜと言わんばかりの突き放した予告編に大感動。上映館数は多くないが、かなりマストで観ておきたい作品になった。
レンタル家族
こちらも言葉の少ないミニシアター系。素朴さには好感を持てるしシナリオも面白そうなのだが、目を引くカットやセリフがなかったのが残念。素直に感動できそうな映画ではあると思う。
ブラックホールに願いを!
今週ベスト予告。あまりに素晴らしいので今公開されている予告全てのリンクを貼っておくこととする。まずは特報1。
意味深なセリフと謎めいたシーンのつるべ打ちで高揚感がドバドバ。カメ止めのあの人だ!とか、鳥居みゆき久しぶりに見たなとか、そういう些細なアハ体験と共に流れ込んでくる情報量があまりに歪かつ特殊でもう既に面白い。この特報だけでも観る価値がある。
続く特報2は高層ビルが壊れていく様子がただひたすら映し出されている。特報1がドラマ重視なら、特報2は映像の迫力をプッシュしてくる仕掛け。特撮映画好きとしてはもう滾りに滾っている。
そして予告と本予告で映画の輪郭が更に濃くなっていくのだが、こんなに独創的で面白そうな映画が公開されることが素直に嬉しくて堪らない。ミニシアター系なので公開規模はそこまででもないのだけれど、まだ公開してないのに、もう既に俺が口コミで動員増やしてやるぜと意気込んでしまいたくなる魅力が予告編に詰まっている。現時点で公式サイトでは最終予告なるものがCOMING SOONとなっているのだが、これは公開直前で出てくるのか公開後に出てくるのか…。何にせよ、絶対観にいきます。
以上、14作でした。
読んでくださった方はお気付きだろうが、映画の中身自体は公開前ということもあって未知数である。あくまで予告編に対しての感想なので、結構文句を言った映画でも観てみたら面白かったということは全然あり得る。逆も然り。
とりあえず今週は『ブラックホールに願いを!』に全BETしていきたいと思います。