ポール・トーマス・アンダーソン監督のことをほとんど知らないままこの歳まで生きてこられたことを幸運に思う。映画界隈が何やらPTAPTAと繰り返し呟いているのを見て、急に教育の場で声を上げ出したのかと思ったが、よくよく調べればPTAはポール・トーマス・…
2005年にTVシリーズの放送が始まった『牙狼』も遂に今年で20周年。私は所謂2期である『牙狼 ~MAKAISENKI~』の直前辺りで初めて牙狼シリーズに触れた人間なのだが、それでももう約15年の付き合いになる。付き合いになるなどと言ってしまったが、実際にはシ…
第40回 横溝正史ミステリ&ホラー対象を受賞した『火喰鳥を、喰う』が遂に実写化。インパクト抜群のタイトルだが、中身はホラーかミステリーかなかなか判別がつかない重厚な作品で、デビュー作とは思えないほどに原浩先生の手腕が発揮されている。かく言う私…
『タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら』がまさかの韓国リメイク。原作は2010年の映画なので、実に15年ぶりというわけだが、あの映画はもう15年も前の作品なのかという時の流れにも驚かされる。原作は、田舎でマイホームを手に入れた2人の男が、人…
期待通りの面白さ。タイムループコメディの人気作としてよくサブスクのオススメには出てきていて、評判が高いのも知っていたのだけれど、映画を観てビックリ。規模やキャストからしてかなりの低予算だとは思うが、脚本の鮮やかさに舌を巻いてしまった。無限…
フェイクドキュメンタリーの韓国産ホラー映画『トンソン荘事件の記録』を観た。タイトルに偽りなく、トンソン荘という旅館でアルバイトが恋人を連れ込みそのまま殺害した事件に端を発した奇妙な出来事の記録。日本でも近年主流になっているフェイクドキュメ…
スラッシャー&ジュブナイル映画へのオマージュがたっぷりな『サマー・オブ・84』。よくタイトルの似た『Summer of 85』と混同されているのを見かけるが、2作に繋がりはないしジャンルさえまるで違う。私がこの映画を最初に観たのは、今は風前の灯火と化した…
既に全26話の放映が終了し折り返し地点を過ぎたが、それでも番組に対する熱量は依然として変わらない。『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』、本当に面白い作品だ。前回は第1クール終了時点の第12話までで感想を書いたので、総集編も終わって後半戦に突入しよ…
個人的にはクレしん映画歴代トップ更新を狙えるほどの傑作だった。「ボーちゃんが鼻に紙を詰めて暴君になる」なんて馬鹿げたプロットを大真面目に一つの映画として完成させてしまえるのは、やはりクレヨンしんちゃんという作品の力だなあと。橋本昌和監督・…
2025年6月から続いている怒涛のJホラー劇場公開も佳境に入り、遂にホラーファン待望の『近畿地方のある場所について』が公開された。おそらく原作を読んで楽しみにしている人も多いだろう。原作の評判を知って、映画化を機に興味を持った方もいらっしゃるは…
正直まったくノーマークだったのだが、敬愛するデヴィッド・F・サンドバーグ監督の新作と聞いたら観に行かないわけにはいかなかった。原作のゲームは名前くらいしか知らないものの、その新鮮さが逆に良い効果を生んでくれるだろうと。何よりサンドバーグ監…
ピクサーの最新作『星つなぎのエリオ』は、孤独な少年が宇宙人と心を通わせるハートフルSF。『E.T.』っぽくもあり、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』なところもあり、『未知との遭遇』や『エイリアン』などの有名SF映画のオマージュもたくさん。しか…
5年前の衝撃は今でも忘れられない。亀梨和也主演の『事故物件 恐い間取り』が公開され、そのあまりの酷さに目も当てられなかった。『リング』の中田秀夫監督の作品がずっと何だかパッとしないというのは多くのホラーファンが感じていることだろうが、やはり…
MCU映画37作目にして、フェーズ6の幕開けとなる本作『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』。MCUのフェーズを気にしてる人はもうだいぶ減っているような気がするが、公式からはMCUリセット計画なんてものも飛び出しているし、今年は『キャプテン・ア…
率直に、めちゃくちゃ面白かった…! 『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』というTV番組自体の虜になっていることを加味しても、劇場版としてこんなに凄いものが観られて嬉しい。同時上映の『ガヴ』が良くも悪くもお利口さんな作りなので、スーパー戦隊はこれ…
冬映画がなかったため、スクリーンで仮面ライダー映画を観るのがかなり久々になってしまった。毎年恒例夏の劇場版、『仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者』。当初の予告ではポップな異世界に迷い込んでしまったショウマばかりにフィーチャーしていたが、最…
第7作目『のび太と鉄人兵団』、正直これまでで一番好きかもしれない。メカトピアのロボット達の強敵具合と思想、リルルの葛藤。かなり重厚なテーマが物語の核にあり、荒唐無稽ながら現実と地続きとも言える世界観に感服してしまった。テーマに対して映画が提…
宇宙を題材にした作品としては6作目で既に2作目なわけだが、本作は『宇宙開拓史』とは異なるアプローチで、「特撮映画」への愛やオマージュに溢れている。何よりタイトルが『スター・ウォーズ』なわけで、実際映画のストーリーも体制に反旗を翻し玉座を取り…
自分は昔から辻村深月さんの小説がどうにも苦手で、奥底まで登場人物の感情を丁寧に描いて読者の共感を呼ぶ筆致に感心はすれど、決して好きと言うことはできなかった。今回映画化された原作『この夏の星を見る』も映画に備えて2日間ほどで読み終わったのだが…
4カ国6都市を舞台にした国際的映画で、主演は阿部寛。外国が関わってくると豪華な印象をつい抱いてしまうものの、この映画に関しては誇大広告だったように感じる。予告を観た時点で「なんかチープだな…」と違和感を持ってはいたが、実際の映画もかなり安っぽ…
2025年6月18日、東京ドームシティGallery AaMo(ギャラリーアーモ)で開催中の超クウガ展に行ってきた。対応のあれこれでプチ炎上中のイベントだが、クウガ好きとして行かないという選択肢はあり得ない。錯綜する情報に戸惑っている方、チケットを買いながら…
映画ドラえもんマラソン、もう5作目なわけだがこれまたとてつもなく面白く、まったく退屈しなかった。こんなにポテンシャルのあるシリーズを今まで自分はつまみ食いに留めていた上にのぶ代時代の作品をほぼ観ていなかっただなんて、生きていることが恥ずかし…
3作目の感想を書いてから2年近くが経過してしまったのだが、「映画ドラえもん展」なるものが始まると聞いて急いで映画ドラえもんマラソンを決行することにした。一応1~3作目にも再度目を通したものの、もし通しでこのブログの感想を読んでくださる人がいた…
2025年6月はなぜか矢継ぎ早にホラー映画が公開されるとんでもない1ヶ月なのだが、その先陣を切った『ほん呪』シリーズで有名な中村義洋監督の『見える子ちゃん』はとんでもない傑作だった。監督のことは信頼しているし、予告で観た霊の描写も、さすがホラー…
『X エックス』はスラッシャーホラーにオマージュを捧げていることは理解しつつも迫り来る面白さみたいなものは感じられず、正直この続編を観ることにも能動的になれなかったのだけれど、結果『Pearl パール』はかなり面白かった。とにかく印象的なカットが…
まさかTBSの火10ドラマがこんなにも刺さる日が来るとは…。 この枠には大体ラブコメや明るいお仕事ドラマが入っている印象で、多分メインターゲットは主婦層。少なくとも女性だろう。なので独身男性の自分にはそんなに楽しめないだろうとやや見下してすらいた…
タイ・ウェスト監督、ミア・ゴス主演による三部作の第1作目『X エックス』。今週末に完結編の『MaXXXine マキシーン』が公開されるということで久々に鑑賞した。『ミッドサマー』が大ヒットしたA24製作の新作ということで公開当時かなり反響があったと記憶し…
20年間眠っていた男が目を覚まし、失われた時間に起きた出来事を知って叫び狂う1話で思いっきり引き込まれてしまった『いつか、ヒーロー』。忙しく第3話以降は溜めてしまったものの、何とか最終回の放送に追いつくことができ、全話を観て「本当に良いドラマ…
差別意識がとにかく酷すぎる。倫理観が欠落した肉屋の夫婦がヴィーガンを殺しまくってハムにして売る馬鹿馬鹿しいコメディ映画、『ヴィーガンズ・ハム』。日本で観られるようになってからずっと話題になっていたのは知っていたが、特に理由もなく放置してい…
『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』に完全に心酔してしまっている。日曜朝が訪れるのが楽しみで仕方がない。こんな視聴感はなかなかないだろう。よく考えると、というかよく考えなくても「ナンバーワン戦隊」の時点でだいぶ凄いネーミングセンスをしている…